平成19年度/宿泊研修旅行報告




宿泊研修を終えて
宿泊研修運営会 富岡 麻由子




 
 4月25日(水)・26日(木)の両日、山梨県南都留郡富士河口湖町・セミナーホテル「レイクホテル 西湖」において、1年生対象の宿泊研修が行われた。当日朝の東京の天気は雨であったが、西湖に到着した時には雨が上がり、さわやかな日差しに恵まれた2日間であった。


 宿泊研修では、@都会ではあまり体験できない自然に触れる活動を通して、自然に親しみをもつ。A学生が自ら計画を立て、クラスメイトと工夫し合いながら体験活動をすることで、自主性と協調性を養うきっかけをつくる。Bクラスメイトと学習活動や寝食を共にし交流を深めながら、宿泊研修を楽しむ。
という3つの目的を掲げている。
 

 宿泊研修の特徴、すなわち研修内容は、キャンプファイヤー、ほうとう作りである。新しい試みで始まった宿泊研修も今年度で3回目を数える。
 まだ入学して間もない4月、雄大な自然の中で研修を行い、クラスメイトと火を囲み、有意義な時間を共有することは、互いのことを理解し、これからの学生生活を共に送るうえでの土台作りになるといえる。
 昨年度行った調査では、学生の宿泊研修に対する満足度は高く、経験がその後の学習や実践に活きていることも、学生にとって大きなメリットになっているといえる。
 
 
 キャンプファイヤーを行うためには、事前の計画や練習が必要である。実施直前の通し練習から流れを把握し改善点を見つける。場所を下見し、環境に見合った活動を構成するなど、企画・運営の一連のプロセスが含まれている。そして、キャンプファイヤー実施後には、考察・評価を行う。そこには自分たちの活動を客観的に観る分析力や、今後の活動に繋がる建設的な発想力が求められる。


 また、パワーポイントによる活動内容と評価の発表では、話し合いの内容をまとめ、他者にわかりやすく説明するためのプレゼンテーション能力が必要となる。
 そして、山梨県の郷土料理であるほうとう作りは、地域固有の文化を理解する体験となる。
 このふたつの研修は、ともにグループメンバー相互の協力が不可欠であり、同時に活動自体の楽しさがる。これらの理由から、研修としてキャンプファイヤーとほうとう作りを行っている。


 もうひとつ、この宿泊研修の大きな特徴は、「宿泊研修サポーター」として2年生を起用している点である。サポーターは、学生への諸連絡、主な司会運行をすべて行っている。研修内容の指導もその役割であるが、サポーターの指導は、教員のそれとは異なる形で浸透していくように思える。より助言という形で受け止められ、学生の自主性が発揮されるのである。またその姿は、1年生にとって身近な目標となる。


 準備に終われる3月から4月の1年生に対するデモンストレーションや助言、そして、宿泊研修を通して、サポーターの2年生の大きな成長には、本当に目を見張るものがある。悩み、試行錯誤し、言葉を選びながら1年生に思いを伝えている姿には、強い自覚とリーダーシップが感じられる。サポーターには負担が大きい部分もあるが、その分彼らはやりがいを強く感じている。学生相互に学びのある制度であると考える。






宿泊研修の記録


 25日日朝、新宿に集合。貸し切りバスで「レイクホテル 西湖」に向かう。途中談合坂のパーキングエリアで休憩する。
 ホテル到着後、体育館にてサポーターの司会による開会式を行った。 1年生による開会宣言や日程確認を行う。
 終了後に全体での記念撮影を行った。



 




 昼食・休憩後に研修1を行う。
 研修1の活動は、保育着チェック、キャンプファイヤーの通し練習、リハーサルをふまえてのディスカッションである。
 

 保育着チェックとは、保育時に適切だと各自が考える服装を用意し、研修時にその服装のチェックを学生同士で行う活動である。動きやすさや安全性を考慮しながら、お互いの服装を見あい指摘しあうことで、多くの気づきがあったようである。


 その後、通し練習ではサポーターの司会に沿って、各班が準備してきた出し物(手あそび・ゲーム・劇あそび・歌・ダンス)を行う。キャンプファイヤーの流れを確認し、改善点を見つけていく。元気あふれる出し物で大きな笑いをとる姿、輪の大きさや声の通りなど、予想しなかった展開に戸惑う姿が見られた。

 
 通し練習後、各グループごとに話し合いがもたれる。話し合いの内容をまとめ、全体で発表しあう。ここでは、別のグループの出し物に対する感想や指摘も出された。参加する側としての意見を聞くことができたこと、他のグループのよいところを取り入れることは、よりよい発表をするための大切なヒントになるだろう。


 また、サポーターからは1年生にとってためになる助言がたくさん出された。去年の経験から、また司会として客観的な視点から出し物に対する意見を述べるサポーターに、1年生は熱心に聞き入っていた。
 その後は再度各グループで集まり、計画の修正や練習を行う時間とした。研修1が終了し、自由時間になっても話し合いを続ける熱心な姿があった。






 休憩後、夕食となる。楽しく会話を交わしながら、和やかな雰囲気のなかでの食事となった。











レイクホテル 西湖




ホテル周辺の環境







事前準備






サポーター






キャンプファイヤー













開会式






保育着チェック












キャンプファイヤー
通し練習






グループの話し合い






全体でのディスカッション






食事






 夕食後、いよいよ研修2のキャンプファイヤーである。
 キャンプファイヤーは第1部から第3部に分かれている。第1部では静かな気持ちで火の神を迎え、これからのひとときをともに楽しく過ごすことを誓い、歌やダンスで徐々に盛り上がっていく。第2部では学生たちによる出し物を行う。そして第3部は小さくなる炎とともに、自然や人々に感謝し、未来への希望をそれぞれが感じながら静かに終わる。

 集合の後、一度円を作り、ファイヤーとの距離や輪の大きさを確認した。大きな石や木の枝を取り除け、安全を確認するのも大切な準備である。


 夕暮れより少し早い時間だが、空は徐々に暗くなっていた。自然の美しさに空や湖ををひととき眺めた。
 サポーターの歌から入場が始まり、ファイヤーの周りを囲む人の輪が作られた。

 
 サポーターの司会でキャンプファイヤーの第1部が始まる。大きな輪になり、歌を歌った。火の神がたいまつを持って入場。中心にある井桁に火を付けた。1年生の誓いの言葉に、わくわくする気持ちが盛り上がっていく。




 その後、火の勢いが強くなるように、歌声も大きく、たくさんの笑い声が響いた。


 2部は、各班が担当する「出し物」の披露であった。簡単な手あそび、ゲーム、劇あそび、歌、ダンスの5つを、7つのグループがが行なう。
 各グループの出し物は、皆で楽しく行えるように、導入からさまざまな声かけ、道具などに工夫を凝らしている。研修1の通し練習の時とは違った内容の班もあり、短い間に話し合い、改善してきたことが伺えた。事前の準備を熱心に行ったことで、自信をもって、リードしている姿はとても頼もしい。




 事前の練習や、研修1とは異なり、暗闇の中で火のそばで通し練習で皆が経験した内容を行なっても、環境が変わることによりまた違った雰囲気や状況が生まれること、、逆に内容を知っていることにより楽しめるということを体験しであろう。エキサイティングでエネルギッシュに進行していったが、同時に、皆で楽しもうという気持ちが伝わる、暖かな第2部であった。最後には太陽が沈み、あたりは深い暗闇になった。


 3部は、1年生の代表者がこれからの学生生活に対する思いを語る。徐々に小さくなる火を眺めながら静かに歌を歌い、終了した。まだ火の残っている井桁を見ながら名残おしそうな表情を浮かべ、ホテルへと戻った。






 キャンプファイヤー終了後、研修3が行われた。研修3では、各班ごとに研修記録を作成する。ここでは各グループが計画と実際を比較し、考察を行うことが求められる。また、翌日の研修報告会(研修4)の発表原稿の作成が含まれる。

 それぞれが意見を出し合い、有意義な話し合いを進めていた。上気した顔には疲れが見えるが、頭を抱えつつも真剣に取り組んでいる。規定の時間終了後も、話し合いを続けるグループも多かった。
 その後、入浴、就寝となる。








 2日目の朝、眠い目を擦りながら朝食をとる。






 研修4では、前夜の研修3のなかで苦労して作成した発表原稿を基に、各班が発表を行う。パワーポイントを使っての発表はわかりやすく、発表後には質問や感想が飛び交った。意見を交換することによって、新しく気づくことができただろう。
 



 子どもたちと活動を行うときにどのようなことに気をつけるか、計画を立てリードする立場では何が大切かなど、各々が出し物についての理解を深めていた。 また、うまくいったこと、楽しめたことに対する喜びや、失敗や練習不足に対する後悔を率直に語っていた。これらは、学生の資質を育て、将来につながる経験になるだろうと強く感じた。


 研修の最後は、山梨県の郷土料理であるほうとう作り体験であった。最初に地元の方から教授を受け、ほうとう打ちの実践。真剣なまなざしでデモンストレーションに見入っている。そして調理。学校の授業さながらの展開であった。たくさんの野菜と一緒にぐつぐつと煮込んだ、おいしいほうとうが完成した。隣の班のほうとうと食べ比べるなど、楽しいひと時を過ごした。すべて片づけを行い、終了する。




  



 体育館で閉会式を行う。1年生の感想、サポーターからの言葉、謝辞などが述べられた。閉会式終了後、バスは帰路へ。






 宿泊研修全体を通して、熱心に取り組み、静かに聞き入り、最後まで自主的な態度と楽しむ気持ちをもって、終えることができたと感じる。楽しく充実した2日間がよい思い出になることを、そしてこの体験によって、ぞれぞれの心に膨らんだ今後への期待や意欲が、学生生活に繋がっていくことを期待する。
(Tomioka,Mayuko)










入場






サポーター扮する
火の神






誓いのことば





























研修記録作成


























朝食風景









研修報告会















ほうとう作り






閉会式






  




「ステップアップ」  宿泊研修を終えて…  

保育士コース2年 小野寺翔太


 「え!私がサポーターですか?」という言葉から始まった。去年のサポーターの先輩方を見て、サポーターというのは「1年生のお手本にならなくてはならない」と感じていた。選ばれたからには、1年生をサポートできるように頑張ろうと、私は心の中で決めた。
 それからはサポーター同士でキャンプファイヤーの練習を1ヶ月前から始め、何度も話し合いを重ね、「こうすると盛り上がりそうだ」とアイディアを出し合った。助言をくれた先生方に感謝しています。
宿泊研修が始まると、リハーサルでは緊張した表情だった1年生も、キャンプファイヤーでは出し物を笑顔で楽しんでいて、とてもいい雰囲気だった。仲間と協力すること、仲間のいいところを見つけることが、宿泊研修でできたのではないかと思う。
 今回サポーターとして参加して、自分自身が楽しまなければ子ども達に楽しさは伝わらないこと、相手にわかりやすく説明する難しさを改めて身にしみて感じ、私自身の課題だと感じた。保育者になりたいという同じ夢を持った仲間と一緒に学び、成長する私自身の「ステップアップ」を、これからも目指していきたい。そして、1年生を影ながら応援していければと思う。




宿泊研修の感想

保育士コース2年 鷲山侑希


 私は、今回2年生サポーターとして宿泊研修に参加させてもらいました。先生からサポーターの役割を頼まれた時は、顔には出しませんでしたが、本当に心から嬉しく思いました。反面、去年の先輩方のサポーターぶりがあまりに素晴らしかったので、自分に務まるのか不安でいっぱいでした。私も引き受けた以上は全力を尽くして頑張ろうと強く感じました。練習や準備が始まり、HRでの説明などで1年生の皆さんが私たちサポーターの話に真剣に耳を傾けてくれているのがわかりました。
 サポーターと1年生の思いが通じたのか、宿泊研修当日は、山梨についてみると、あいにくの雨が見事に止み、神様は皆の日ごろの行いを見ている!と感じました。
 キャンプファイヤーも研修報告会もほうとう作り、どれも有意義で大成功だったと思います。活動では1年生の皆さんの一生懸命さが伝わってきて、それがなによりも嬉しかったです。
 サポーターに選んでいただき、本当にありがとうございました。































タイムスケジュール

25日(水)初日

活動

8:20

8:40 

11:30

11:40 

13:30

15:30

17:00

18:00

19:45

21:00

23:00

新宿駅西口付近集合

出発
  談合坂サービスエリア休憩

ホテル到着

開会式
  集合写真撮影・昼食


研修1(キャンプファイヤーのリハーサル)

休憩(入浴)

夕食

研修2(キャンプファイヤー)

研修3(研修記録作成)

就寝準備(休憩、入浴)

就寝



26日(木)二日目

活動

6:30

7:00

8:00

8:30

 9:30

11:30

12:15

12:45

13:15

14:00 

17:00

起床

朝食、荷物積み込み

バスへの荷物積み込み完了

研修4(研修報告会)

研修5(ほうとうづくり)

昼食

閉会式

ホテル出発

河口湖畔散策

出発
  石川パーキングエリア休憩

新宿駅西口付近到着





日本音楽学校
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