教育改革




 私たちは2年間かけてF.D. (ファカルティ・デベロップメント)に取り組んできました。そして全国の専門学校にさきがけて、「ミニュツ・ペーパー」による授業改善を進めてきました。私たちは、全国の専門学校、高等学校、中学校、小学校がミニュツ・ペーパーを導入することをお勧めします。学生・生徒たちから私たちの教育全般、教え方、授業準備などについてたくさんの有益な意見を聞くことが出来ます。




 日本音楽学校は2000年4月にFD委員会を発足させました。小林志郎(前東京学芸大学副学長・名誉教授、現本校校長)を学事顧問・FD委員長として迎え、教員の資質向上と教育改革全般について6ヶ月間、学習と議論を進めました。その結果、次のプログラムとタイムテーブルを決定しました。


1. ミニュツ・ぺーパーを平成12年度後期から試行的に取り入れる。

2. 平成13年度から正式に全校で行う。

3. 「学生による授業評価」を平成13年度に行う。

4. 「自己点検評価」を平成14年度に行う。

5. 学外講師による教員研修会を年3回行う。





 私たちは、全国の専門学校、高等学校、中学校、小学校がミニュツ・ペーパーを導入することをお勧めします。学生・生徒たちから私たちの教育全般、教え方、授業準備などについてたくさんの有益な意見を聞くことが出来ます。

 私たちのミニュツ・ペーパーは二つの目的を持っています。

 一つは毎日の授業成果をはかるための「コミュニケーション・ペーパー」として使われます。

 もう一つは、「学生による授業評価」を行うためのプレ評価としての機能を持たせています。毎日行われる「ミニュツ・ペーパー」から学生は評価のしかたを学び、教員は評価から教育を改善するしかたを学びます。年に一回、しかも突然行われる「学生の授業評価」よりも、もっとシビアで、公正・公明な授業評価をほしいからです。


1.学生は良い点を取るため、教員におもねて高い評価をする。
80%の学生は公正に評価します。もし多くの学生が良い成績を取るため授業評価に手心を加えるようなら、問題は学生にあるのではなく、あなたの授業そのものにあるのではないでしょうか。教員が学ぶ動機を発見させ、授業に参加する意欲を感じ始めた学生は前向きに評価を始めます。

2. 教員は高い評価を取るため、学生の顔付きを見て授業をする。
学生の顔付きを見て、良い授業をするなら大賛成です。もし試験の採点を甘くしたり、欠席や授業態度の悪さを看過することなどを指しているなら、そのような教員はいてはならないし、決していないと信じます。不幸にも私たちのまわりに一人でもいたら、私たちは勇気を持ってその問題に立ち向かうべきです。それがFaculty Developmentです。

3. 学生はいい加減な点をつける。

4. 学生は授業を評価する力はない。また学生に評価されたくない。

5. 学生が評価するまでもなく、私の授業は優れている。


 問題点の3番、4番、5番はすべて間違いです。思いこみです。科学的で、実証的なデータなしで議論することをやめて、一度やってみることをおすすめします。

 これは平成12年10月、ミニュツ・ペーパーを導入するとき、学生に配布した協力の呼びかけです。



Minute Paper &   
Faculty Development










Faculty Development


















Minute Paper


















ミニュツ・ペーパー
や授業評価に関する
「欠点」や「問題点」
に関する指摘は
伝説的な間違いで
す。





What is the Minute Paper?
「Minute Paperでコミュニケーション
と評価を作りだそう」

 英語のminuteには「(時間の単位としての)分」、「瞬間」、「覚え書き、控え」のほかに「微少な、ささいな」という意味があります。そこでminute paperは「手軽なチェック・ペーパー」または「簡単なペーパー」と訳しておきましょう。

 後期から、授業の終わりに、みなさんが「ミニュツ・ペーパー」を使って授業をチェックします。「今日学んだこと」、「疑問として残った点」、「あなたの授業参加は何点か」、「教員の授業のいい点、問題点」などを2,3分で書いてもらいます。

 このペーパーの一番の目的は、授業が終わった直後にみなさんが今の授業内容を再確認し、疑問点を教員に伝えることです。次にみなさんが教員の授業を評価すると同時にみなさん自身の授業態度を評価することです。

 Minute Paperは古くから行われてきました。教員と学生が1枚のペーパーを通してコミュニケーションし、学生参加型の授業を作り上げてきました。日本音楽学校は心から授業を改善しようと願い、日本音楽学校オリジナル版のMinute Paperを作成し、いくつかの授業で実験的に実施することにしました。ほかの学校では学生がMinute Paperの良さを認め、コミュニケーションと評価に実績を残しました。日本音楽学校は90%の学生がMinute Paperを積極的に活用してくれるものと信じています。





 教員は授業に関する学生のみなさんの意見に耳を傾けます。教える授業から学ぶ授業へ転換するため、工夫をします。日本音楽学校は学生のみなさんに予習・復習を求めます。そして日本音楽学校は優秀な先生や保母さんになってもらう新しい教育へ第一歩を踏み出します。




 これは現在、本校が使用しているミニュツ・ペーパーです。改善を加え、すでにバージョン3になりました。右図をクリックしてください。








 平成13年度前期に実施した「ミニュツ・ペーパー」の集計資料からいくつかの興味あるデータを紹介します。右図をクリックしてください。











ミニュツ・ペーパー




集計資料







教員構成・年齢別


2000年度 2004年度




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